ヒトは、さまざまな周りのコトガラを自分なりに配置しています。概念としての話です。でもこの配置とそれぞれのことがらの関わりあいが、全ての局面で必ずしも適切と言えないこともあります。手足など身体の部品の配置は身体の中では決まっていますが、これを痛みのある場所とその原因の部分というつなぎ方をしようとすると、その繋がりは必ずしも解剖学的に理解出来るつながりとは限りません。また、その原因と考えられるの部分をほどく為に使うのは、その原因の部分ではうまくいかないことがあります。具体的には膝の痛みの場合、腰椎の緊張、仙椎の異常、腸骨の動きにくさなどから解決して行く方が治りが早く、再発も防ぐことができます。踵の痛みは股関節の問題であることもあります。そして、その場所に直接刺激を入れなくても、足先からうまく振動を伝えることや、全体のアラインメントを整えることで痛みが消えて行くこともあります。となると原因という考え方自体が何かしっくり来ないことにも気づきます。この「原因」「現象」「解決法」という配置も気のせいなのかもしれません。身体という最も近い場所にあることですらそうなのですから、世の中で起きていることも配置を間違えているどころか、配置出来ないまま放置していることがたくさんあります。そうなると解決することは難しい。ですから、解決を目指す場合、少し冷静に配置し直してみる事が大切です。そうして見つけた繋がりは意外にシンプルなもので、解決の糸口が簡単に見えてくることがあります。
