交通事故の後遺症というのは、身体のみならず心にも影響を残してしまって、解決に時間がかかることがあります。ある若い女性が事故に遭われて、気がついたらベッドの上、退院後数ヶ月経ってからぼくのところに来られた時は、背中の痛みがあり、人混みが怖いといったからだとこころの両方に影響が残っている状態でした。どうなりたいのかという問いかけに、「４月から働きたい」が答えでした。その時が確か２月頃だったと思います。階段を昇るのも下りるのも苦痛だった方が、はじめての施術後は飛び跳ねるように階段を下りていかれました。施術をするたびに回復していき、本当に４月から仕事に復帰することができました。その後も時々調整に来られ、今も元気に働いていらっしゃいます。身体に加えられた衝撃は心にも影響を及ぼします。そして、事故後半年経っても解決しない痛みは、自信をなくさせてしまいます。また、他の事故の場合もそうでしたが、事故を避ける動作の緊張が、そのまま捻れとして残っていることがありますから、その捻れを解き、事故の衝撃を避ける時の緊張をゆっくりと弛めてあげると思いのほか早く回復して行くことがあります。鞭打ちなども首ばかり追っていても変化は起きにくく、全身をみることで事故の後遺症で悩まされている方の回復の可能性は高くなります。
