予想した状態のヒトが来ることはありません。「腰痛です。」「膝の痛みです。」「肩こりです。」症状の名前はいろいろとありますが、同じものは一つとしてありません。触れていけば全てが違っているように思えます。一つ一つの症状に対応する施術法を書き出せばキリがありません。そこでヒトが取る方法は、見た目で言うと二つ。決まった手法の中にヒトを当てはめるのか、不定形の方法で柔軟に対応するかです。これは単純に手技の問題ではなく、考え方の問題です。同じ手技を使っているように見えても前者と後者の二つがあります。どちらが良い訳でもありません。どちらも突き詰めていけば反対のものを取り込んでいきます。ですがヒトの調整に置いてとても大切なことは「諦めないこと」と「信じること」です。対象がヒトの身体ですから「治ろうとする力」を持っていることを信じることです。もっと言えばそういう力が「此処にある」ことを認めるということです。簡単に言うと、どの手法でも同じですから、どんな症状も「きっと治るんだからじっくり取り組む」ということになります。コトバにすれば簡単なことですが、長い時間の中で、今少しだけ出来るようになって来た気がします。
