evidence、証拠／根拠。英英辞典では、"words or objects which prove a statement, support a beleaf, or make something clearly true"とあります。要するに何かの意見や信じていることの根拠となるモノゴトや真実であることを示すコトガラをさします。身体のことでも原子力発電所のことでも、科学的なエビデンスばかり欲しがるヒトがいます。これに対して、残念ながら数多ある腰痛を直す時にこれで大丈夫といえる手法やそれを裏付ける統計的証拠などは存在しないと考えています。「なんとなく」ここがオカシイ、こうしてみようと感じることで解決することも多く、あとでいろいろと繋がりを調べていると納得出来る修正法であったことが多々あります。ヒトにとって、とても大切な感覚の一つがこの「なんとなく」です。「なんとなくこっちに行きたくない。」｢なんとなく危ない気がする。」そういうものがとても大切なのです。なんとなく変な人だと感じて少し距離を置いて通り過ぎたら、後ろで叫び声が上がって、その人は通り魔だったという話があります。ヒトは外部から、たくさんの知覚出来ない刺激を身体が受け取っています。それは、何かを証明する材料とはなり得ないくらい曖昧ではっきりとしたものではありません。ですが、この勘と言ってもいい感覚が、動物として生物として生存する為にとても大切なことなのです。ですからもし、原子力発電所をはじめとして、薬や、機会や、取引など、身の回りのできごとで「なんとなくヤバイ」と感じた時は、例えエビデンスが見当たらなくても、その感覚を大事にしていけばいいのです。そして必要であれば、あとから探してみると意外に「適当な証拠」に辿り着けることがあります。何よりも自分を、自分の感覚を信じて生きていけることは、楽しい人生の入口になります。
