一つの世界がそんなにたくさんのルールで、複雑に出来ているとは考えられません。私たちが生きているこの世界では、モノは高いところから低いところへと落ちていきます。世界の構成要素がそれぞれに別のルールに基づいて動いているとは考えにくい。ましてや生物だけが違う原理で動くわけはありません。その世界で生まれた生き物の中にも、同じ単純な方向性が存在していると考える方が自然です。そこで、カラダの機能の一つである「自己治癒力」、カラダにおいて「異常が正常に戻ろうとする原理」も「モノが落ちる原理」と同じ方向性を持っていると考えてみます。つまり｢治る力」とは、単純にエネルギーの高い状態が、低く安定な状態に向かうことだという前提で身体に起きることを見直してみる。すると、「身体調整」とは、「エネルギーを逃がすこと」であり、手法自体も「治す」という症状と戦う姿勢ではなく、「促す」という症状と協調した姿勢を取ることになります。
