自分で自分にかけた簡単な暗示はなかなか解けません。例えば、何かをきっかけに「泣かない」と決めてしまうと、泣けなくなってしまうことがあります。決めたタイミングが、泣いた時点から少し経っていて、感情的にも少し離れて平静であれば潜在意識的には抵抗がありませんから、かなり確実に「泣けなく」なります。僕は13歳の時に決めた所為で、38歳になるまで、余程のことがあって、自分で改めて許可をしないと、泣けなくなっていました。元々感動屋で、テレビなどでも感動して目頭が熱くなるのですが、それすら止めてしまっていました。昨日は偶然、別の暗示を解く機会がありました。PTAのバレーボール大会です。その暗示とは、おかしな話ですが、みんなで何かをする時に「盛り上がる」ことを止めていたのです。記憶を辿ると、高校の時の水泳大会で、一人で盛り上がってしまったことがありました。あとでなんだか恥ずかしくなって「もうやめよう」となんとなく思ったことを想い出します。このタイミングならまた始められるかもしれないと、盛り上がる方向へと気持ちを動かすと、だんだん声が出てきます。周りの盛り上がりを助けにして、気持ちも一緒に参加することができました。ひょっとすると頑張って声を出していた前半で、声が枯れてしまったことも幸いしたのかもしれません。後半まで休むと声が出るようになったことが嬉しく、積極的に声を出して競技に参加できました。暗示をかけたきっかけを想い出すことと、別の場所での同じような強い体験があれば解きやすい様です。自分でかけた暗示は解け難く、僕自身そういうもので固まっています。半世紀近く生きて来ていますが、これからまだまだ自由になれる可能性があります。
