数年前、スゴイ先生のところへ親しい友達と訪ねて行った時のことです。スゴイ先生は、僕のことを他の方に「鹿児島から友人が尋ねて来てくれた。」と紹介してくださいました。「友人」って何だ〜、とびっくりして楽しい時間を過ごし、さんざん飲んで先生と別れの挨拶をした時に、次の言葉が飛んで来ました。手を振りながら振り返ると、その大先生は、連れて行った僕の友達に向かって「こんなヒトと付き合っていると変なヒトになっちゃいますよ。」と大きな声で言われました。ちょっと聞きにはひどいコトバの様ですが、そんなことはありません。一つの世界を作った先生からこう言われることは、「君にもヒトと違った一つの世界が作れるよ」と言われたように思えたのでした。帰りの電車の中で、感慨に浸りながら友達に「嬉しいな〜、あんな先生になりたいな〜。」というと「いや、もうなってるんじゃないの」という返事が返ってきました。これにも驚きました。冷静な友人からこの言葉が出るということは、彼にはそう見えているということです。この日は嬉しい言葉の連続でした。自分が、なりたいものになっていると感じることは稀です。でも「もうなっている。」そういうのです。日々様々な方の調整をさせていただく中で、5分とかからず治ることもあれば、10回かけてやっと治ることもあります。もっとかかることもあるでしょう。それ故に、いつも迷いの中にあります。でも、「君は、もう既に、なりたいものになっているじゃないか」そう大切な友人に言われた瞬間のことを、先生のくださった他の嬉しい言葉とともに、これからずっと忘れることは無いでしょう。
