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祁答院町黒木817-4で整体してます。

【イップス?】

「自分のイップス心因性のものではない。肩の痛みというはっきりした原因がある。だから、肩の痛みさえなくなれば、イップスは治るのではないかと考えていた。」(Web Sportivaイップスの深層」菊地高弘●文 より引用)


イップスを持っているとされる野球選手のインタビュー記事の一部です。身体調整から催眠療法までやってきたボクの考えでは、これこそが「正解」です。


スポーツの大きな大会が近づくとイップスという言葉を良く聞きます。一発勝負の要素が大きなスポーツの世界では大きな問題です。いまのところ明確な改善方法はありませんとwikiにはガッツリ書いてあります。


まず、イップスはこんな感じで説明されています。
『今までスムーズにパッティングをしていたゴルファーがある日突然緊張のあまり、カップのはるか手前のところで止まるようなパットしか打てなかったりカップをはるかにオーバーするようなパットを打ったりするようになる病気にイップス(YIPS、うめき病、yipeは感嘆詞で「ひゃあ」「きゃあ」「うわっ」といった意味)と名づけた。』
ある時から、今までできたことが思うようにできなくなったりする訳です。


イップスはゴルフに限らずあらゆるスポーツで見られるが、例えばテニスやオージーフットボール、クリケット、野球、サッカーなどが挙げられる。アルゼンチンのテニスプレイヤー、ギエルモ・コリアは、世界ランク3位に位置していながらサービスのイップスに苦しんでいた。オーストラリアン・フットボールリーグ、セント・キルダのニック・リーウォルドもキックのイップスにかかった。クリケットでは、キース・メドリコットなどイップスにかかった複数の投手が、投球動作を終える前にボールを手放してしまう症状を抱えていた。』
たぶん、他の活動でも言われることがあると思います。


治し方はというとこれまた明確に書いてあります。
『明確な治療法は無く、克服出来るかはその人間次第である。最終的に克服出来たとしてもイップス発症から数年・数十年経過しているケースも珍しくない。』


イップスは心の問題であって、心の問題は脳をなんとかすればいいと考えますが、それは全てのケースには適用できません。一部はうまくいくかもしれませんが、脳だけが心ではないからです。「心」の問題をすぐ「脳」の問題と言い換えてしまうのは、単純な先入観に支配されています。もちっと普通に全体を見てみたらどうでしょう。また克服できない場合は違う可能性を考えて対処すべきです。ボクの予測ではイップスになっているヒトはそれぞれ何処かに、ケガや過労による筋骨格系の緊張を持っているはずです。それだけでなくカラダとココロは分つことのできない一つのものですから、様々な場面で生じたココロの緊張がカラダのあちこちに捻れや筋緊張を残しています。以前見せてもらった長距離選手は、左膝の後ろに「イップスの種」がありました。その部分の小さく固まった緊張を解いた次の大会では全く心に不安を覚えなかったと教えてくれました。ヒトは生きている間に様々な緊張や負荷にさらされます。この百年ぐらいはヒトの身体が壊れるくらいのスピードの乗り物が出来たり、不思議な特殊な運動(スポーツのことですがw)で偏った動きをしてしまうことが普通になっていますから、事故的に突然掛かる負荷の大きさは尋常ではありません。時間をかけて一旦治ったように見えても何処かに小さな緊張の種が残ってしまうことがほとんどです。(実際には大きな捻れすら治っていないこともあります。)そんな影響は実際に観察することができます。イップスになった状態を想像してもらうと身体の捻れが大きくなっていくことが観察できるのです。ですからイップスを治したければ、まずカラダを治す。それが答えです。ではそのカラダの問題は治るのか。個々に答えは違うと思いますが、この記事の選手の場合であれば治る可能性は高いと考えています。


追記)ついでに書いとくと、もう一つ面白かったのは、


「(イップスを)持ってる人同士だと、すぐにわかり合えるんで(笑)。隠すなんてムリっす。」


の部分です。
ヒトがわかり合うということはカラダを通して感じる部分があるからです。同じような不安を持っているヒト同士の場合、(前述した緊張部分は違いますが)同じようなカラダの状態を共有している。そもそもカラダは他のヒトの影響を受けますから、そういうことが起きるんですよね。